ウェッジの性能で語られる要素には幾つかありますが、中でも「溝」はR&Aのルールで制限されるほど効果が認められている要素。そこで、過去の名器から現代のウェッジまで幾つかのモデルの「溝」に接写してみました。
⑴リンクス「マスターモデル」は何度か再販されていますが、22本の溝があるモデルは古いモデル。沢山の溝がスピンのイメージを連想させますが、当時はバンカーショットが打ちやすいクラブとして人気でした。
⑵フォーティーン「MT-28」はノーメッキ&激スピンウェッジのパイオニア的存在。溝のくっきりさ以上にスピンに必要なフェースの平滑さが見て分かります。設計者の故・竹林氏も平らなフェース面にこだわっていました。ノーメッキのウェッジは当時大流行でスピンがかかる重要な要素ともてはやされました。しかし、現在はほとんどノーメッキのウェッジは見かけなくなりました。柔らかい打感と時間が経つにつれて味が出たり、黒染めなどの加工も楽しめる遊びココロにあふれたクラブです。
⑶ロイヤルコレクション「SFD X7 フォージド」ウェッジは適合溝のモデル。
⑷いわゆる「角溝」と呼ばれる溝はR&Aルールでは不適合。ロイヤルコレクション「SSフォージド」の溝を接写してみると、違いがわかるはずです。現在は高反発クラブとともに復活傾向に。エンジョイゴルファーにとっては、ウェッジが止まる・ボールが戻る快感を得たいゴルファーに人気です。
⑸イーデルゴルフのウェッジはソール前方のバウンスが大きくソール後方は開きやすい「開けるハイバウンス」ウェッジ。フェース面を見てみると、細かいミーリングが施されているのが分かります。ルール適合ながら「スピンがしっかりかかる」ウェッジにはフェース前面にミーリングが施されているものが現在の主流。実際にはダフらずクリーンヒットして、きちんとソールが抜けることがスピンをしっかり書ける条件になります。
ひとくくりに「ミーリング」「角溝」「適合溝」と言っても、その技術と仕上げには様々なものがあります。