リリース

文・構成/猿場トール 

「伝説のプロコーチ」後藤修氏が提唱する「大型スクエア打法」に傾注。ボビー・ジョーンズ、ベン・ホーガン、ジャック・ニクラウス等、古今東西のスイング技術を研究。現在、ゴルフメディアを中心に寄稿するゴルフライター。

セベ・バレステロス選手「全盛期」SWING ANALYZE(前編)はこちらhttps://bit.ly/2qvKKBW

左腕は伸ばす?or伸ばさない!?

下の写真は、飛球線後方からのトップ写真です。

この頃は、「オンプレーン」などの言葉はまだほとんど存在しませんでしたが

ここから300ヤードショットが生まれるとは思えないほど、静かで美しいトップスイングです。

こちらから見ると「左腕のよく伸びた」印象があるのではないでしょうか?

天才ゆえ!?【誤解の上に城が立つ】とは?

しかし、

同じシーンを正面から見ると、印象が変わると思います。

クラブだけ見れば、「シャフトは水平付近」の教科書通り。

身体の捻転を見ると、さすが世界のロングヒッターの捻転差です。

では、左腕の印象は???

ここに、彼が若くして世界のトップに立った理由があるのでは?と推測します。

それが、彼独自の「パワーアングル」すなわち早い段階のコッキング(ロック動作)です。

こうする事で必要以上に腕を長く使う事なく(=ショートアーム)、体を深く捻転しながら、いわゆるオーバースイングを防ぐ狙いがあったと思われます。

改めて、正面からトップの写真を見てみると同じ捻転差やクラブの位置の選手とは異なる【右腕が見える空間】がある事がわかります。

右腕を「ブレーキ」に使いながら、左肘を曲げる事で腕が硬く上がりすぎない工夫をしています。

深い捻転で飛距離を確保しながら、オーバースイングを防ぎ、強打とコントロールを両立できたのがセベ・バレステロス選手のスイングと言えます。

「黒いバレステロス」と名付けられたタイガー・ウッズ選手の登場

1996年マスターズ優勝を遂げた、若き日のタイガー・ウッズ選手に「黒いバレステロス」と名付けた、後藤修氏。

後藤氏は、バレステロス選手のスイングを絶賛しながらも

「誤解の上に立った城」と名付け、「30歳代のうちにスランプになる」の予測を各誌面で行いました。

強打のトッププロが、スイングの中にブレーキをかける動作を入れれば必ず身体に危険を及ぼす...他、いくつもの「スイング作りに対する間違い」を指摘しました。

当時も今もタブーな「逆C」フィニッシュ

当時も今も、スイングでタブー視されている「逆C」フィニッシュ。

J・ニクラウス選手、T・ワトソン選手、G・ノーマン選手など挙げればキリがないほど「昔のプロ」には多かった形です。

しかし、当時も指摘されていたプロ達は【短命な選手生命に終わる】に必ずしも当てはまらなかった事実があります。

バレステロス選手が30代以降、背中を痛めたりスランプになった頃、若い頃からの「逆C」フィニッシュが原因と言われていました。

しかし、写真の「どこにCがある?」とみる事もできます。

事実、スランプ脱出のために、フィニッシュの形からスイングの改造を行いましたが、本格的なスランプ脱出&復活する事はありませんでした。

ギアの変化に対応するのは「スイング」か?「若さ」か?

下のスイング写真、どこの専門家が「悪い」と言えるのでしょうか?

バランスに優れ、しかも非常に速いヘッドスピードを生み出し飛距離もコントロールも抜群。

唯一、ドライバーが曲がる「アキレス腱」を持っていた事はありましたが「駐車場からのショット」でリカバーした劇的な全英オープン優勝をが歴史に残っています。

この辺りも、タイガー・ウッズ選手と似てなくもない部分です。

今になってみると「ギアの進化に追いつけなかった」と解説する者もいるのかもしれません。

30歳で円熟するプロの「転換期」

30歳でゴルフを始める?一般ゴルファー

プロの世界では、機械のように同じスイングをする事を必ずしも尊敬しない文化が昔から(今も)あります。

先日、日本で開催された「ZOZO CHAMPIONSHIP」で優勝を飾ったタイガー・ウッズ選手もギャラリーの予想を遥かに超える芸術的でエキサイティングなプレーが魅力的です。

よくレッスンで言われている「オンプレーンで真っ直ぐ」のスイング自体が【絵に描いた餅】なのではないか?とPGAツアープロ達を観ていると感じませんか?

この写真は、セベ・バレステロス選手が日本のトーナメント「VISA太平洋マスターズ」に出場したときのものではないかと思います。

この前後だったとしても、彼の年齢は30歳前後。メジャー制覇をいくつも重ねてグランドスラムを狙う「円熟期」に向かっているときのものです。

一方、一般ゴルファーの皆さんにとって30歳前後の年齢は

親御さんの影響で始めたり学生時代にゴルフ部だったり、アルバイトでキャディをしていたりでない限りは

「ゴルフを始める」頃ではないでしょうか?

例えば、現在40〜50歳の人が

小さい頃からゴルフをやっていたプロから「20代で上手くなった方法」を教えてもらう事で上達やスイング改善ができるのでしょうか?

優れたプロやコーチほど、「年齢」や「身体」加えて「クラブ」をみながらアドバイスをくれるはずです。

腕とクラブの動きを最小限にするコントロール術の必要性

クラブヘッドがプレーンに乗っていれば、「ボールは真っ直ぐ行く」「スコアが良い」とは限らないのではないでしょうか?

飛距離が十分あって「明日のコンペのために曲げたくない」なら、飛距離よりも腕とクラブの動きを最小限にする「対策」はあっても良いと思います。

しかし、誰にでも「コンパクトが良い」では、例えば飛距離が絶対的に必要な女性ゴルファーの皆さんには役に立たないかもしれません。

#クラブフィッティング【スイングプレーンで判る!?】①平均スコア80台前半、②初心者ベスト130〜「PCM Labo」プロファイル診断https://bit.ly/2NHC1pz

流行とブームには終わりがある

「身体のどこから」リードする?「何をリード」する!?

静の状態から動のスイングへ向かうゴルフスイングが難しいのは

「どこから動き始めるか」や「どこで」「何を」リードするのか?

様々な考え方や方法、そして時代背景やクラブの変遷によって「流行」や「ブーム」があります。

スイングを結果論で【良い】or【悪い】を言うのは簡単ですが、

ボールを飛ばすためのクラブ&クラブヘッドの動き、そして年齢や身体の状態に合った「永くゴルフを楽しめる」「選手寿命を長く保つ」ための身体の動き

どちらも必要です。

セベ・バレステロス選手のトップ〜ダウンに入るスイング写真を見てみると

「さすが世界の超一流選手」に感じる体幹の使い方に対して、天才ゆえの「器用すぎる動き」「ファジーかつルーズなフェース面使い」が垣間見えています。

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